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aika45716
aika45716

2015年09月01日

心地よい眩暈

意に意識が遠くなり、脊髄が痺れることで、
私の意識は私の預かり知れぬ領域にぴょんと跳躍するのだ。
さうして、吾は私の自意識から剥落する自意識から脱皮し
何物でもないニュートラルな自意識の様相で宙ぶらりんなるのだ。

このどっちつかずの有様にほろ酔い気分で上機嫌になり、
私が私であると断言できないこの眩暈の瞬間が
なんのことはない、吾が吾から遁走するいつものやり口なんのだ。

眩暈にある吾は直にぶっ倒れることがはっきりと解ってゐるのであるが、
その僅かの時間がぐにゅうっと間延びし、
その短い時間のみ、吾は吾であることが言明できるのだ。

この眩暈の時間はダリの絵の如く時計はぐにゃりと曲がり、
どろりと零れ落ちやうに流体物と化し、
既に吾の意識も歪にぐにゃりと流体化して、
時間の進行を全く意識することなく、
卒倒までの短い時間の快感をもっと堪能するのだ。

ここで、吾はもはや今生では会えない吾に玉響でも遭うのだ。
そこで、吾は吾に溺れてはならぬ。
これは、吾が吾に対して詭計を行ふいつもの手なのだ。
今にも羽化登仙するかのやうな吾の心地よい瞬間に騙されず、
吾は、しかと吾の体たらくを直視し、
さうして吾はほろ酔い気分の中にありながらも、吾を断罪するべきなのだ。

それが吾が卒倒するときの唯一の礼儀であり、
吾が現在にしかをれぬことに対する最も有体な姿勢なのだ。

さうして、吾は吾に対する言葉を全く失うことで、
吾は吾に対して絶句することで心底から語り合ふことが可能といふ矛盾を
身をもって知るのである。

吾と吾との間に最も相応しい言葉は沈黙であり、
さうしてしじまが吾の卒倒を誘うのだ。






































Posted by aika45716 at 15:27│Comments(0)生活
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